ブログトップ

9月議会の質疑と答弁をお知らせしますー学校統廃合について

 9月議会で、学校統廃合について質問しました。
質疑と答弁をお知らせします。

c0344374_18020328.jpg
 教育行政について、学校規模・学校配置適正化計画について質問します。
 学校統廃合計画に対する、子どもの意見の聴取について伺います。
 市教委は3月26日の東村小学校での意見交換会で、「学校再編を保護者と子ども、小学校と一緒に説明してほしい」という質問に対し、「子どもの声を聞くことはしない」との説明を行いました。
 学校の統廃合で、最も影響を受けるのは、子ども達です。
 教育委員会は、「子どもの思いなどは保護者から聞かせるべき」と答えていますが、それを聞いた参加者は「全く無責任だ」と話していました。
これまでの質疑で、子どもの意見を表明できる場を設けること、子どもの意見の尊重を求めてきましたが、それに対する対応方針をお示し下さい。

次に、統廃合の理由について伺います。
 市教委は統廃合を行う理由について、「全ては子どものため」と説明してきました。

 その一方で、(仮)千年小中一貫義務教育校の計画(案)等では「望ましい教育環境の中で教育効果を高めるため、ICT機器の導入や老朽化した校舎の改修、建てかえなど膨大な財政負担が生じる」と、財政負担について述べています。
 8月28日の議会報告会では、参加者から「財政問題を理由にして統廃合を考えて欲しくない」といった意見が出されていましたが、今回の統廃合計画が、財政問題が大きな理由なのであれば、「『全ては子ども達のため』と誤解を招く説明はやめてほしい」との声が、住民から寄せられています。ご所見をお示し下さい。
次に説明責任についてです。
 教育委員会は、現在、統廃合対象校と保護者や住民らとの意見交換を開催していますが、実態は「教育委員会からの方針の伝達となっており自分たちの意見を聞き入れてくれない」と多くの学区の保護者らから、批判の声が寄せられています。
「丁寧に説明する」と回答していますが、保護者や地域住民の願いは「意見を聞き入れて欲しい」ということです。そして、計画の見直しこそ行うべきです。
お答えください。
 次に手引について質問します。
 文部科学省の手引(公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引)には、「学校を地域コミュニティの存続や発展の中核的な施設と位置づけ、地域を挙げてその充実を図ることを希望する場合に学校統合を選択しないとすることができる」と記載されています。
市教委は、一昨年12月9日の本会議答弁で「手引に従い取り組みを進めている」と答弁しています。
手引に従うというのなら、対象となった小規模校を存続させる手立てを講じるべきです。全国では、人口減少地域の学校を存続するために、手引きの内容を実践し、統廃合計画を見直したり延期したりしている地域があります。福山市としてもそのような地域を把握し、参考にするべきですが、全国または県内で、統廃合計画を見直した地域をお答えください。
次に、小規模特認校制度について伺います。
 小規模校として、学校を地域に存続させる方法の一つに、小規模特認校制度があります。これは、教育委員会の答弁によると、学校選択制の一つで、小規模校において特色ある教育を受けたいと希望する人が、入学できる制度です。
広島県や国に対して申請する必要はなく、福山市教育委員会で決定できる、とのことです。今、統廃合の対象となっている小規模校は、どの学校も、これまで行われてきた取り組みが子ども、保護者、地域住民から支持されています。
 しかも、教育委員会自身も、これらの小規模校の特徴を、●子ども一人一人に教員の目が行き届きやすくきめ細かな指導がしやすい、●友達同士の人間関係が深まりやすい、●個別に役割を与えて活躍する場面をつくりやすい、●教職員が他の小規模校と指導方法の交流等を行い、教育の充実に努めている面がある、とその優位性を認める答弁を行っております。
 このような小規模校を存続させる手法として、特認校制度を活用することこそが、子どもにとっても保護者にとっても「多様な選択肢」をつくることになるのではないでしょうか。
 お答え下さい。
 ある山間部の小学校へ転入した生徒は、転入前には市内の大規模校に通学していました。生徒同士のさまざまなトラブルで不登校となり、途方に暮れていたときに、山間部の定住促進住宅を紹介されたそうです。
そして、わらにもすがる思いで募集し、小規模校に転校。今では、見違えるように明るくなり、積極的に地域住民に挨拶ができるようになり、勉強も進んでするようになったと話していました。これは、これまでにも紹介したことです。
「一定の集団規模で子どもたちを切磋琢磨させる」と言いますが、大集団に、どうしてもなじめない子どもの教育の場の保障を、どのように認識しているのか、お示し下さい。
 2015年8月24日の文教経済委員会において、市教委は、統廃合を行った結果の地域の変化について、全国の事例の調査を検討する、とのことでした。そして、学校統廃合により地域の児童生徒数がふえた学区、自治体があれば詳細について尋ねましたが、明確な答えはありませんでした。

廃校した地域の多くは、地域内人口が減少し、努力しても「現状維持」がやっとという地域ばかりで、跡地利用をいくら行っても、活性化につながりにくいのは、全国の教訓ではないでしょうか。

 8月28日に行われた、沼隈市民交流センターの議会報告会では、参加者のほとんどから「学校が無くなれば地域が寂れる」「教育委員会は、地域の思いを聞いていない」という、「学校の存続を」求める立場からの意見が出されました。
ある町づくりを推進している内海町の市民は「学校統廃合は、教育だけの問題ではない。地域全体の問題で、学校のない所に人が住もうとは思わない」「今のままでは、内海町はみんな計画に反対する」との発言でした。
さらに、東部市民センターでは、山野学区の住民が「小さくてもよい学校の存続を」求める立場から「存続して」との要望を発言されていました。住民合意が得られていない、統廃合計画は中止するべきですが、お答えください。

 次に小中一貫義務教育学校について伺います。
義務教育学校は、小・中学校の枠組みを取り払い、1人の校長で、9学年が一体となった教育とするものです。そして、9年間を前期課程、後期課程に再編します。このような、小・中学校の区切りのない一貫校は、様々な「課題」が指摘されています。

文科省の実態調査では、小学校と中学校の接続部にあたる「6・7年生が一番の課題、教職員、児童ともに戸惑いを見せる」「小6がリーダーの役割を発揮できない」「7年生に中学生としての自覚を持たせる工夫が必要」などの課題が浮かびあがっています。
教員の問題に関しては「小・中間の壁の高さ」「多忙化」との指摘も見られます。

また、発達心理学が専門の都筑学(つづきまなぶ)氏は、小学校期に「有能感(コンピテンス)」を獲得していくことが重要であるのに、それが十分に保障されていない、と指摘しています。
 子どもは、小学校3、4年生の時期から、具体的な事物と関わりながら認識を深めていく中で有能感を獲得していきます。

そして、5、6年生の高学年期に、小学校という社会の中の最高学年として、行事や自治活動でリーダーとなって下級生を率いて活動し、他人から認められ、褒められる経験を積み重ねる中で、「有能感」を高めていきますが、一貫校では、これらが出来にくい、と言うのです。


 さらに、生徒指導研究を専門とする船橋一男氏は、小中一貫校では「小学校5・6年の活躍の場がない」ために様々な問題が生じている、発達の道筋からの検証が必要である、と提起しています。

教科担任制や定期試験の導入などによって、小学校期の「教師から子どもへの丁寧なケア」や「自分に関わりがあり意味がある学び」が奪われ、子どもに「戸惑い、混乱」「不安」が生まれている、との指摘です。

このように教育学的、発達心理学的な検証が十分なされていない段階で、拙速に6-3年制の区切りを変更することは、リスクが高いことです。拙速に導入しないことを求めます。

 以上について、ご所見をお示し下さい。



教育長(答弁)
 学校規模・学校配置の適正化計画について。
 学校再編に対する意見聴取等につきましては、保護者や地域住民、学校関係者と行政が、教育効果が十分に発揮でき、子どもたちに、変化の激しい社会をたくましく生きていく力を育てる上で、教育環境がどうあるべきかという観点で、議論すべきであると考えています。
 
 次に、学校再編は、教育的観点で、子どもたちにとって、より良い学びの環境づくりを目的に進めているものです。
 今後、老朽化した校舎の改修、建て替えや、授業へのICT機器の導入などを早急に進めていく必要があり、学校配置を見直すことにより、教育費を効果的に投入し、将来にわたって教育の質の維持向上を図ることが必要です。
 保護者や地域への説明につきましては、不安や懸念に対して、具体的対応策を示しながら意見交換を行い、相互理解を深めているところです。
 文部科学省の手引につきましては、各地域が抱える実情や課題は様々であることから、飽くまでも各市町村が主体的に検討をするための参考資料として利用することとされています。
 人口減少、少子化・高齢化が急速に進行する中、学校があれば地域が活性化するという状況ではなくなってきており、将来を見据えたまちづくりに取り組む上で、子どもたちの教育環境と地域の活性化は、それぞれの課題として、分けて議論していく必要があると考えています。
 今後、再編後のまちづくりについて、関係部局が連携するなかで、住民の皆様と行政が継続的に話し合う場を設け、互いに知恵を出し合いながら、地域の活性化に取り組んでまいります。
 次に、学校選択のあり方についてであります。
 保護者が希望する学校への入学については、学校選択制度や保護者の就労等により祖父母宅などがある学区内に就学する場合、また、教育的配慮が必要と認められる場合等における指定学校変更制度により、許可事由に該当する場合に認めることとしています
 今後、適正な集団規模による望ましい教育環境を整備していく中にあっても、子どもや保護者の状況に応じて学校を選択できるよう、これらの制度を継続していきたいと考えております。
 なお、再編対象校の中には、大きな集団になじめない、不登校やいじめ等で教育的配慮が必要などの理由で、校区外から通学している児童生徒がいることから、再編後の教育環境のあり方について、様々な観点から検討しているところです。
 今後も、保護者や地域の皆様と意見交換を行う中で、相互理解を深め、子どもたちにとってのより良い教育環境となるよう取り組んでまいります。
 次に、義務教育学校につきましては、1年生から9年生までの児童生徒が一つの学校で学ぶということを生かして、9年間の子どもの成長を見通し、柔軟な教育課程の編成や指導方法により、効果的な学校運営を行うことができます。
 他市の先行事例においては、小学校段階と中学校段階を意識し、子どもの成長を促すため、教育活動において、運動会や学習発表会などは、6・3の区切りで行なったり、学校行事のなかで、5・6年生がリーダーシップを発揮する機会を意図的に設定したりするなどの取り組みが行われています。
 本市においても、こうした事例も参考に、関係校の教員と教育課程や指導方法を検討し、義務教育学校のメリットを最大限生かせるよう取り組んでまいります。




[PR]
Commented by 福山市南部の保護者 at 2017-09-25 18:38 x
義務教育学校について、興味深く読ませていただきました。当該地域の住人です。義務教育学校の教育の是非についてはよくわかりません。ただ、義務教育学校の予定地が、津波等の自然災害危険区域だというのに疑問を感じています。
南海トラフ地震による津波が起こった時、この中学校区には、避難場所になる公共施設がありません。この30年以内に70%の確率で南海トラフ地震がくるといわれているのですから、義務教育学校は避難場所になりえる安全な場所に設置してもらいたいものだと思っています。現在の中学校地へ義務教育学校を設置するのは、人命軽視だといわれても仕方ないと思います。
Commented by tsuchiya-t-fjcp at 2017-09-27 18:39
> 福山市南部の保護者さんへ

 コメントありがとうございます。
まさに、「福山市南部の保護者さん」がおっしゃる通りです。
この地域は、津波浸水地域で、なぜこのような危険な場所にわざわざ大規模校をつくるのか、まったく理解できません。

それなのに、今議会で市教委は、用地測量のための予算を計上しており、全く許せません!

 なんとか、この取り組みをストップされるよう、たくさんの方と手をつなぎ、計画を撤回させたいと思います。
by tsuchiya-t-fjcp | 2017-09-14 18:06 | Comments(2)