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情報公開審査会で口頭意見陳述―リム・ふくやま問題

 福山市が所有する西町の大型商業ビル「リム・ふくやま」の契約が不透明です。
これまで何度も議会で取り上げ、是正を求めてきた問題ですが、そのおおもとになっているのが、関連資料の情報隠しです。
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 ご覧のようにマックロ。

なので、これまで、情報公開審査会に異議申し立てをしていましたが、本日、口頭意見陳述があり、弁護士さんや税理士さんらの前で、陳述しました。

 今後、この審査会で法令や条例に基づいて厳正に審査され、市長に答申が出されます。

どのような答申となるか。。。内容が楽しみです。
陳述内容を掲載します。


意見陳述書
2015年5月13日  

 市議会議員の土屋知紀と申します。
 委員の皆様には、このような、リム・ふくやまに関わる公開資料に関しての、意見陳述の場を設けて頂きまして誠にありがとうございます。

 私からは、そもそも、この資料に関わる問題の背景にはどのようなことがあるのか、今回開示をお願いするために、このような場を設けて頂いた資料は、どのような問題を浮き彫りにしているのか、という事を最初に述べさせて頂いて、次に、当該資料の非開示にした部分についての私の意見を述べさせて頂ければと思います。

①(そもそも論)(リム・ふくやま問題とは何か)

 そもそも、この問題は、ロッツ閉店後の、福山市が所有する商業施設の管理・運営を、今後、どのようにするのか、という行政課題に端を発しています。
 今回、問題になっている、西町の、大型商業施設は、2000年に、旧そごうが撤退するという問題が持ち上がり、地域を揺るがす大問題となりました。

当時の三好章福山市長は、このそごうの撤退を、放置すればまちの賑わいがなくなり、市中心部が衰退するとの判断から、2002年に、そごう跡地と建物を25億円もの巨額の市税を投入して購入しました。
そして、現在の天満屋の子会社の、丸田産業株式会社に賃借し、ビルに入居しているテナントに転貸を行って、ロッツとして運営してきました。


そして、この度、丸田産業と10年間の契約期間が満了し、2012年にロッツが撤退したため、福山市は、この建物を大規模小売店舗立地法に基づく「大規模小売店舗」として自ら経営することにして、2013年9月に、「リム・ふくやま」としました。ネーミングライツを導入して「エフピコRiM・ふくやま」として開業していますが、現在に至っています。

 この事業の何が問題になっているでしょうか。

それは、福山市は、2013年の開業当初からリム・ふくやまの経営を”丸投げ“するかたちで、東京が本社の(株)大和情報サービスに委ねました。
結果として初年度の2013年度だけでも3億円近くを、一般会計から「商業施設特別会計」に繰り入れています。 
しかも大和情報サービスは、その、ほとんどの業務を福山市外の、首都圏の業者に、再委託・再々委託しており、巨額の委託金が、市外に流出しています。
 
 このような契約は、行政法、地方自治法上次に述べる通り、大きくわけて、3点の問題点があります。

[問題点1]全国の自治体に例がない「定期建物賃貸借」という、(サブリース)」契約方式を導入している点です。
この契約の方式は、福山市にとっては、何の財政上のメリットもありません。

“サブリース”というのは、福山市と大和情報サービス株式会社とが契約した、契約書には、この用語は使われていませんが、借地借家法38条に基づく「定期建物賃貸借」という言い方をしています。
このことは、建物の賃貸借のバリエーションの一つです。

要するに、「転貸を目的とした一括借上げ、家賃保証のこと」で、建物の持主の物件を“又貸しつまり(転貸)”するということです。

地方自治法や、福山市財産管理規則28条にも、行政財産を転貸することは禁止されています。
ところが、福山市は、この規則の縛りをのがれるために、わざわざ当ビルを、あえて、「普通財産」として転貸を続けているのです。
地方自治法違反の可能性があるのではないでしょうか。

しかも、大規模小売店舗立地法の届け出者は、福山市長であり、特定の行政目的である、商業施設特別会計で、このビルの管理運営を行っており、福山市が行っていることに、矛盾点を抱えているのです。

サブリース契約は、全国では、業者の収益悪化によるダンピングや、一方的な解約、さらには倒産などで、大きな社会問題となっています。
ちょうど、5月11日に、NHKのクローズアップ現代という報道番組でこの契約が、ハイリスクであるということを、特集しておりましたが、この契約システムは、ビルの大家である福山市にとってリスクが高いということを常に念頭におかなければなりません。
さらに、総務省にも問い合わせたところ、全国の自治体で、このようなサブリース方式で公有財産を管理・運用している実例は全くありませんでした。
なぜ地方自治体がこのような契約を行わないかということは、そもそも、この契約は、リスクが高いだけでなく、福山市のテナントの実態を見ても分かりますが、テナントの売り上げに応じて、毎月福山市に入ってくる家賃が変動するために、歳入が安定しません。

地方自治体にとってはメリットがないばかりか、逆に損失を与えることにすらなる、というものです。
地方自治法にも、自治体の財産管理を、サブリースができるという規定は全くありません。

ですので、福山市がこのようなパススルー型・サブリースを採用したのか、採用する際には、「そのメリットは何なのか?」「導入に際してリスクはどのように考慮されてきたのか?」など、といった議論が極めて重要な問題となります。
ところが、この点に関しては、議会でも十分な説明も、答弁もされてきませんでした。
今回の資料には、パススルー型サブリース契約について、何らかの、メリットがある、ということがうたわれていると思われます。
ですので、この資料の非開示とされている部分は、極めて重要であるわけです。

この事業の2つめの問題点は、福山市と大和情報サービスが締結した契約は、3つの全く性格の異なる業務をまとめて、大和情報サービス1社にまとめて丸投げしていることです。

この契約名は、「定期建物賃貸借(兼)施設運営維持管理業務委託契約」と言いますが、要するに、あのビルの、サブリース業務と、ビルの施設維持管理業務(BM業務)、そして、入居テナントなどの運営業務(PM業務)を一括して、大和情報サービスに委託しています。
 
さらに、3つめの問題点として、これらの3つの業務のほとんどが、大和情報サービスから、市外の業者に、再委託、再再委託されているという点です。

例えばビルの維持管理業務(BM業務)については、大和情報サービスから、東京のシーレックスという会社に再委託し、このシーレックスが、さらに、再々委託を繰り返しております。
2015年度には、なんと、31社に再々委託されていました。
つまり、このビルの維持管理業務は、一旦大和情報サービスに委託し、さらに、大和が東京の会社に再委託し、そこから、この31社に再委託されていますが、この再々委託先の多くが福山市内の会社か、もしくは福山営業所となっています。

トンネル会社が二つもあり、めぐり巡って福山市内の企業に帰ってくるのであれば、大和からシーレックスに再委託する必要がありません。
このような再委託を行うこと自体が、大和情報サービスが業務を直接処理する能力を有していないと、言わざるを得ません。

 余談になりますが、リム福山がグランドオープンンするとき、施設の改修工事は、大和情報サービスの親会社である、大和ハウス工業に、5億3,000万円の金額で、随意契約で発注させたことがありました。
5億円の随意契約自体が、法違反です。

さらに、契約書を見てみると、これらの「委託契約」は、驚いたことに支払うのは委託料ではなく、ボーナスまがいの「報酬」という文言で書かれており、官庁契約のイロハを完全に無視しています。

また、契約書には、ビルの修繕や改修工事については、発注した側と受けた側のどちらが修繕や改修費を負担するのか協議して定めるべき最重要事項であるにも関わらず、大和情報サービスの都合の良いよう内容になっていました。

さらに、契約書の中にある「販売促進費」や、「出来高報酬」という福山市が大和情報サービスにボーナスを支払う項目まで設けており、これらは「別に定める」などと記載され、大和情報サービスがいくらでも市に請求できるようなっています。
大和情報サービスにとっては、打ち出の小槌のような、仕組みです。
市の「歯止め」「チェック」が全く効かない無茶苦茶な契約であります。
完全に大和サイドで作られた一方的なもので、「官庁契約」「公契約」の体をなしておらず、地方自治法や福山市契約規則に明白に違反しています。

再委託や、再々委託を繰り返していますが、大和情報サービスとの一括契約は、メリットどころか、大幅なコストアップとなっているのではないでしょうか。
地方自治体運営の基本原則である「最小経費で最大の効果」を挙げなければならない、という地方自治法2条14項に照らして大きく違反するのではないか、「違法」な契約事務であるのではないかとの懸念をぬぐいきれません。

この件に関しては、総務省の担当者にレクチャーをしたところ、当契約について、同様の指摘をしているところですが、このような再委託、再々委託を前提として、大和情報サービスは、提案していたのでしょうか。
もしそうだとするならば、それを、市が、どのように判断したのか、重要な問題だと思います。そのために、この資料を開示して頂きたいのです。

以上述べてきた問題点が、リム福山をめぐる契約の大まかな概要でありますが、これら、あまりにも不正常とも言える契約のあり方の大元になったものが、今回、福山市側がその資料の多くの部分を、隠し、不開示としている「福山市商業施設プロポーザル」という資料です。

そもそも、リム・ふくやまの施設運営の賃借人の選定は、2012年8月に「指名型プロポーザル方式」により実施すると決め、その後、第三者による「選定委員会」が設置されました。
ところが、この委員会での賃借人の選定の経過だけでなく、選定後の契約締結に至るプロセスが丸ごと“ブラックボックス”で全く分かりません。
そもそも指名型プロポーザル方式は、福山市の契約規則や内規に定められておらず、何ら法的根拠がないことも問題です。

今回問題になっている資料は、元々、選定委員会が、複数の業者から「提案」を受けて、このビルの管理・運営を行うに足る、ベストの1社を選ぶために設置されたはずです。
それにもかかわらず、最終的に応募されたのが大和情報サービス1社しかありませんでした。
それなのに、この大和情報サービスを「最優秀」として選定するのは、あまりも非常識な決定ではありませんか。
通常、このような場合は、再募集して、選定をやり直すべきですが、選考が強行されまるで”出来レース”としか考えらません。
さらに、今回の本題である、指名型プロポーザル方式の内容については、金額よりも「提案書」の内容がすべてとなっています。

リム・ふくやまの場合、そもそもの設置目的は、中心市街地の活性化だから、福山駅周辺一帯をどのように賑やかにするとか、その結果雇用も増えるといった波及効果に関する提案も含まれるはずですが、まともな理由抜きで、30枚のほとんど全ページが「黒塗り」で出されています。
せめて、全面黒塗りとせずに、最低限「行単位」での開示の拡大が求められますが、ここまで、全面的に非開示とする頑なな態度のために、今回の異議申し立てに踏み切った次第です。

当該資料を概観しますと、目次とページが不一致となっていることは、これまでにも指摘してきましたが、不開示とされている多くは、どのような内容か、おおよそは、類推することができます。
例えば、この資料の、賃貸借方法については、福山市議会の本会議の場で、すでに、「パススルー型サブリースを採用する」、といった旨の答弁がされており、わざわざ、非公開にするべき内容でもありません。
また、不開示理由として、ほとんどの部分を、「競争上の利益や事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれる」などと、ひとくくりに、理由付をしていますが、そもそも、市民の大切な税金を投入する事業で、なぜ、福山市は、その企業の擁護者となるのか、大きな疑問です。

 だいたい、この提案は、大和情報サービスからしてみれば、選定員会で、自信を持って提案し、福山市に提案する類のものですので、提案理由に自信があるのであれば、あえて、非開示にする必要は全くありません。
さらに、当該資料のp35の「最後に」という、通常、民間企業がプロポーザルを行う際、社交辞令的に自社の提案がいかに優れており、それを選定してもらいたい、といった、提案の核心部分ではないと思われるような部分まで完全に真っ黒に非開示するのは、「営業・販売活動に関する情報」で非開示としたと言われても納得できるものではありません。

 今回、意見陳述ですので、当該資料を非開示にしたことについての、詳細な主張については、これまで私が、文書で提出して、述べてきたとおりです。

最後になりますが、この問題は、大きくは、福山市民の大切な血税をどのように使うのか、ということが問われている問題です。

いま、福山市内も例外なく格差と貧困が蔓延し、介護費用や市民税、国保税や水道料金の値上げなど、様々な公共料金があらゆる世代にわたって負担増となっている一方、福山市がこれまで行ってきた、障害者、高齢者サービスや、子育て支援や、医療費補助策などは、毎年のように削減されています。

 税金は一円たりとも、ムダに使うのではなく、福山市民の福祉の向上に資すること使わなければならないにも関わらず、東京の大手不動産企業を、優遇する契約です。

 さらに、それらの問題を、チェックするために、担当課に説明を求めても、「情報公開請求で」と応じてきました。そして、それらの資料を公開請求するとこのような、真っ黒な情報公開の有様です。

これはあまりにもひどい、ずさんな行政姿勢です。情報公開と説明責任が極めて遅れております。
 
審査会のみなさまには、以上に述べた問題点について、真摯に議論して頂いて、公正・中立な立場から、インカメラ審査により、実際の資料を実見して、情報公開条例の規定に即した法律的な判断をこころからお願い申し上げまして、意見陳述とさせて頂きます。
 ご清聴ありがとうございました。



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by tsuchiya-t-fjcp | 2015-05-13 20:54 | Comments(0)